「療育って何だろう?」「うちの子に必要なの?」子育てをしていると、健診や園の先生から「療育」という言葉を聞くことがあります。
でも、初めてその言葉に触れたとき、正直なところ…
- 「特別な子のためのもの?」
- 「なんとなくハードルが高い…」
- 「受けさせたら“障害”ってこと?」
と、戸惑いや不安を感じる親御さんも多いはずです。
この記事では、「療育とは何か?」を基本からわかりやすく解説します。
支援が必要かどうか悩んでいる方にとって、第一歩のヒントになれば幸いです。
療育とは?その定義と目的
療育(りょういく)とは、発達に支援が必要な子どもが、その子らしく成長できるように遊びや学びを通じて関わりを深め、生活の力を育てていく支援のことです。
主に以下のような目的があります。
- 子どもの「できた!」を育てる
- コミュニケーション能力や社会性を伸ばす
- 感覚や身体の使い方を整える
- 日常生活スキル(食事・トイレ・着替えなど)のサポート
療育は医療や福祉の枠に限られたものではなく、教育や家庭とも連携して行われる支援です。
🔍【POINT】
療育は「訓練」ではなく、「子どもが楽しみながら成長するための関わり」です。
療育が必要になるのはどんな子?
療育の対象になる子どもは、はっきりと「診断名」がついていなくても構いません。
最近では、以下のような特徴がある子が対象になることが多いです。
✔ よくある相談例
- 言葉の発達がゆっくり
- 落ち着きがない/じっとしていられない
- かんしゃくが強く、切り替えが難しい
- お友達との関わりが苦手
- 感覚の過敏さ(音・におい・肌ざわりなど)
- 指示が通りにくい、聞こえてないように見える
もちろん、これらの特徴が1つでもあるからといって「問題がある」ということではありません。
その子のペースに合わせた関わりや環境調整が必要かどうかを判断するのが、療育の入り口です。
療育の種類と内容
療育にはいくつかのタイプがあります。お住まいの自治体や施設によって提供内容が異なりますが、ここでは代表的なものをご紹介します。
🔹 個別療育
- 子ども1人に対して、指導員や療法士が1対1で支援する形式
- コミュニケーションや課題への集中が苦手な子に向いている
🔹 集団療育
- 数人〜十数人の子どもが同じ空間で活動する形式
- 社会性・ルール理解・協調性を育むのに効果的
🔹 訪問型支援
- 支援者が自宅や園に訪問して支援するスタイル
- 移動が難しい場合や、慣れた環境での支援が望ましい場合に有効
🔹 オンライン療育(最近増加中)
- ZoomやLINEビデオ通話などを利用した家庭向け支援
- 離島や遠方在住の家庭でも利用しやすい
どうやって療育を受けられるの?
「うちの子、療育に行ったほうがいいのかな?」と思ったら、以下のステップで相談・利用が可能です。
✅ ステップ1:まずは相談から
- 市町村の保健センター/子育て支援課
- 地域の児童発達支援センター
- かかりつけの小児科医や言語聴覚士
相談は無料で受けられる自治体がほとんどです。
✅ ステップ2:発達検査やアセスメント
- 必要に応じて簡単な発達検査を実施
- 支援の方向性(個別?集団?何回?)を確認
✅ ステップ3:受給者証の申請(通所型療育の場合)
- 「通所受給者証」は療育に通うための“パスポート”のようなもの
- 市役所で書類を提出(所得に応じて月額負担あり)
✅ ステップ4:施設の見学・体験・利用開始
- いきなり契約ではなく、体験から始められる施設が多いので安心です
「療育=特別」ではなく「その子らしい育ちを支える手段」
まだまだ療育に対して「かわいそう」「うちの子はそんなレベルじゃない」といった先入観があるのも事実です。
でも、実際に療育を受けたご家庭の多くはこう言います。
「最初は不安だったけど、子どもが楽しそうに通う姿を見てホッとした」
「“できた!”が増えて、親子の関係もラクになった」
療育は決して“診断された子”だけのものではありません。
むしろ、「ちょっと困っている」「どう関わればいいか分からない」親子こそが受ける価値がある支援です。
療育を受けるメリットとは?
最後に、療育を受けることで得られるメリットをまとめておきます。
🌱 子どもにとって
- 得意・苦手の把握と対応法が明確になる
- 遊びの中で成功体験が増える
- 人との関わりをポジティブに感じられる
👪 親にとって
- 子どもへの関わり方のヒントが得られる
- 家庭内での困りごとが軽減される
- 相談できる人(支援者)ができて心が軽くなる
実体験|筆者の感想
筆者は、実際に療育に携わらせていただいています。保護者様の言葉の中でも通い始めるにあたっての手続きの仕方や不安、そもそも療育って何なの?とという相談や質問は多いです。園から勧められたからとりあえず、、、なんて方もたくさん目にしてきました。保護者様がこの記事を読んで療育ってどんなものなのか知るための手助けになるとともに、すすめる側である子どもと携わるお仕事をされている方にも届いてほしい内容だと感じました。
まとめ|療育は「困りごと」に寄り添う“子育てのサポート役”
「療育」という言葉に不安を感じる方もいるかもしれませんが、
それは「できない」を否定するものではなく、「できるようになる力を引き出す関わり方」です。
親子で笑顔が増えるように。
お子さんの小さな「できた!」を応援する第一歩として、療育は心強い味方になってくれます。
迷っている方は、ぜひ一度、地域の窓口に相談してみてくださいね。
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